斉藤くんがこんなに楽しみにして行く気満々なのがめずらしいけど、言葉と態度が合っていない。
まぁ、人数は多いほうが楽しいし私はいいんだけどね。
「じゃあ、また近くなったら待ち合わせ場所とか決めよう!」
そう言ったと同時に予鈴が鳴る。
斉藤くんはすぐに席を立ち、食器を片づけに行く。
倉橋くんは斉藤くんのよくわからない行動に振り回されたにも関わらず笑顔で、手を振ってくれた。
「私たちも行こっか」
里ちゃんに声をかければ、里ちゃんも楽しそうに笑っていた。
「おもしろくなってきたわね」
「へ?」
「めんどくさいけどちょっと楽しみかも」
里ちゃんの言っていることの意味がわからないけど、5限が始まるから聞くこともできず、急いで食器を片づけに行った。
今日は斉藤くんと目を合わせられないって悩んでたのに、あれよあれよと4人で花火大会に行く約束ができてしまった。
高校生初めての夏休み。
これはますます楽しむしかない!