指の隙間からチラッと斉藤くんを見れば、顔が赤い斉藤くんと目が合った。

見たことないほど染まった頬には私と同じように照れを感じて、思わず声をかけようと口を開く。



「斉藤くん、顔……ぶわっ」


「もっと色気のある声だせよ」



私が言おうとしたことを察したんだろうけど、逆効果。

抱き寄せられて斉藤くんの胸板に顔を埋めると、私と同じくらいの速さの心音が聞こえて斉藤くんもドキドキしてるって気づいちゃったよ。



隠したつもりが逆に確信に変えてしまっている。


そんな斉藤くんもかわいくて、ドキドキして、こんな気持ちは初めてで戸惑うけど心地良い。




理想とはかけ離れた事故から始まったファーストキス。

少し不機嫌で強引に私の唇を奪った斉藤くんはなにを考えているのかわからない

けど、私と同じくらいにドキドキしていて。



きっと、一生忘れられないファーストキスの思い出。