「…ううん、思わない」
「あんたね、もっと自分のこと信じなさいよ。
じゃないと佐藤くん、どっか行っちゃうよ?」
…やだ。そんなの、やだ。
類くんが、どっかに行っちゃうなんて。
エリカ。私、分かったよ。
エリカの言ってたこと、今になってやっと分かった。
私、最初は類くんを見ていられればもうそれで充分だって思ってた。
これからもきっと、ずっとそうなんだろうって思ってた。
だけど私、あの頃よりもずっと欲張りになってる。
類くんの、一番近くにいたいって、そう思うようになってる。
「梨香、早く行きなよ」
「…うんっ」
エリカはそうやって、いつも私の背中を押してくれる。
私は自分の荷物を持って、教室を飛び出した。
隣のクラス、類くんのクラス。
篠原くんの言っていた通り、そこには類くんがいた。


