「えっと、あの…っ」 その子は俯いて、少し口籠もった。 「武本彩美です」 「アヤミちゃん?」 「…はい」 「よろしくねっ」 杏香は彼女に向かって、優しく手を差し出した。 「ごめんね、誤解してて」 「いえ、こちらこそごめんなさい!」 「ううん、いいよー。 じゃ、お互い様ってことで!」 杏香は、本当に凄いと思う。 誰にでも分け隔てなく優しいんだもん。 私だったら、絶対許せないのに。