私が怜音くんに惚れたのは中学3年の時だった。


(実は中学から同じなんです。怜音くんは気付いてないけど)







私はなぜか先生から雑用を頼まれることが多かった。



「ちょっと、朝比奈ーこれ体育倉庫運んどいてくれるか?バスケ部だし。よろしくなー」



確かに私はバスケ部だし、体育館に行く途中に体育倉庫がある。




だけど今日は、入院しているおばあちゃんの調子が悪くて、すぐ病院に行くから帰らなければいけない。




ここからこれを持って行ったら、時間がなくなっちゃう。


どうしよう…



そう慌ててオドオドしてると



「それ体育倉庫に運ぶんだろ?それ元々は俺の仕事なんだよ。ごめんな?俺に任せて」






その声の主は怜音くんだった。




「ありがとうございますっ」



それだけ言って私は急いで帰った。


おばあちゃんはそれから体調は回復して、すぐ元気になりました。








そして後日聞いた話。




“本当は怜音くんの仕事じゃないよ”






慌ててる私を見て助けてくれたんだって思うと胸がドキドキして、気がついたら惚れていた。