新宿から小田急ロマンスカーに乗って1時間ちょっと。

秋と一緒に箱根へ向かう。

ロマンスカーには一度でいいから乗ってみたいと思っていたのだ。

「乗っちゃうと外観見えないけど、グリーン車にでも乗ってる気分だな」

「そうだね。新幹線みたい」

秋と一緒に笑いながら、車窓を眺める。

飲み会のあと、友香が箱根の有名温泉の割引券を2枚くれた。

父親が株主をしているらしく、かなり安価で泊まれるらしい。

秋が忙しいから行けるかどうかわからないと諦め半分でいたけど、休日出勤の予定がなくなり、一緒に行けるチャンスができたのだ。

ビル街を抜け、住宅で埋め尽くされた街を通りすぎれば、緑と赤の山が見えてくる。

駅からホテル直通のバスに乗ってさらに数十分。

味のある和のホテルは山の真ん中に立っていて、鳥のさえずりが耳に心地いい。

空気も都心に比べたら随分澄んでいるような気がする。

時期がずれていたら綺麗に見られないかもしれないと思った紅葉も、ちょうど見頃だ。