「そんなことより、同期会明後日でしょ?」

「そうそう。みんな来られるって」

友香が話を振ると、真衣の顔がパッと明るくなった。

2,3か月に1度行われる同期会。今回は真衣が幹事だ。

同期会と言っても、本社勤務の同期を全員集めようと思うと大所帯になる。

私たちのいう同期会とは、研修の時にたまたま席が近くて仲良くなった6人のこと。

私と真衣と友香、葉山と野村と松坂だ。

『なあ、せっかく席近いし本社勤務だし、仲良くしよう。
自己紹介しようよ』

そう言って最初にみんなに声をかけたのは葉山だった。

今思えばすごい話だ。

人数の多い研修会場で、昼はみんなお葬式のように静まりかえって食べていた。

その中で葉山が声を上げてくれたおかげで、他の席の人たちも会話を交わすようになり、研修会場全体の空気がやわらかくなったのだ。

おかげで友香以外の仲のいい同期もできた。

「もちろん飲み放題?」

「そうなんだけどさあ、元取るのはいっつも葉山ばっかりだよねえ」

3人で苦笑いをする。

忙しい秋にはまたしばらく会えそうにないから、ひとりで家にこもっているよりはいい気分転換になるかもしれない。

そう思って、久しぶりの同期会に胸を膨らませた。