晴くんの言った通り、秋の多忙期はそれからほんの数日でおさまったようだった。

詳しいことはわからないし、晴くんにも秋にも聞いていない。

だけど、専務になるために色々とすべき準備があったのかもしれない。

私も眠れるときは眠って、なるべく食べられるものを食べて…

と言ってもやっぱりゼリーやヨーグルトが中心になってしまうのだけど、少しずついつもの日々を取り戻すよう努力をしていった。

だけど、問題が解決したわけではない。

むしろ期限はどんどん迫って来る。

晴くんはあの時『2か月半』と言ったけど、社長は期限なんて口にしていない。

『12月に婚約する』と言っただけだ。

社長にしてみれば、本音はすぐにでも別れてほしいんだろう。

あれから2週間近く経って、やっと冷静に自分が置かれている状況を現実的に受け入れられるようになってきた。