日曜の夜、電話をかけてきた恵理はとてもテンションが高かった。

『あのねっいいことがあったの。聞いて!』

「なになに?」

どんな話かはもうわかっているけど、こちらも大袈裟に聞いてみる。

『勇人にプロポーズされましたー!』

「そうなの?おめでとう!!」

一昨日は恵理の誕生日で、おめでとうのメッセージを送っていた。

近いうちに幸せいっぱいの連絡が来るだろうと想像していたから、正直なところあまり驚きはない。

電話越しでまだよかった。多分今の私は笑えていない。

せっかく友達が幸せなのに、そうとう醜い顔をしていると思う。

「でね、横浜に行ってね、そのときね…」

嬉しそうな恵理の言葉に、うんうんと相槌を打つ。

羨ましいな。

観覧車や夜景が見える高級ホテルで、『一生恵理を幸せにする』だなんて、なんて素敵なプロポーズだろう。