別れる前にしておきたいこと ー Time limited love ー

「なんだよ。長期休暇やめたのか?」

「うん」

呆れたような兄貴の声を背に、キャリーバッグの中身をタンスにしまった。

「何かあったのか?」

「…うん。俺も大切な人を見つけられたかもしれないんだ」

兄貴は少し黙ったあと、そっか、と呟いて俺の頭をくしゃくしゃっとなでた。

「頑張れよ」

「おう」

スマホには彼女からのメッセージがきていた。

『明日、会えるのが楽しみで眠れません』

かわいいメッセージに頬を緩めながら、俺も明日会える彼女の笑顔を想像して、胸を膨らませた。