執務室に戻れば平和にみんなが仕事をしていて、パソコンに向かう秋の姿も見える。

私も端末を開き、数字とアルファベットの羅列を見つめながらぼんやりと考えた。

秋にはいつ紹介されるんだろう。

あんなに美人なんだから、秋だって悪い気はしないだろう。

あの女の人だってきっとすぐに秋に惹かれてしまう。

美男美女でお似合いのカップルだ。

家柄も、ルックスも、私よりずっと釣り合う2人…

「…っ」

胃の奥が急に逆流するのがわかって、口元を押さえたまま部屋を出た。

そのまま廊下の少し先にあるトイレに勢いよく駆け込む。