だからか、この時間が…この茅野 梨奈という得体の知れない存在と過ごす時間が…楽しい。


明るくなって…勇気が出てくる。


ああ…この子はやっぱり不思議な子だ。


変な子だなんて、言ってたけど変な子だけではすまされない。


この子は、変だけどすごく素晴らしい子だ。


うまく言えないけど、僕はこの子といていまのこの時間が色付いていく感覚がしたんだ。


だから…




『クス…ああ、僕の負けだ。』


「ん?なにが?」



なにかしてたっけ?なんて、大きな口を開いてバカっぽく言うキミが目の前にいる。


バカだし。あほだし。変だし。


なんで勝手に部屋にいるのかも、ほんとに幽霊なのかも、わからない人。


ねえ、とりあえず



『こんにちは、幽霊さん』




「真琴くん!?……ははっ」




そうやって、やっぱりキミは無邪気に笑った。