ということは、僕はキミの存在を信じないってことになるんだよ?
キミはわかってるのかな。その笑顔の奥で…
「ん?どうかした?」
……いや、この子はなにも考えていない顔をしている。
こんなあほ面な女の子は、僕がこう考えてる事すら意識してないし、多分そんなに物事に興味がない。
『なんでも、ないです』
「?」
けど、この短時間でわかることがある。
僕は、ひとりの時間が寂しかった。
寂しくないとか、慣れてる…とか、いつも言っていた言葉は、全部ウソだった。
小さい頃には、もう両親はいなくて。
僕を養うって言ってくれる身内もいなかった。
そんな自分をいつも惨めに思っていた。
僕は、きっと誰にも必要にされていない存在なんだって思い知らされてるみたいで…
つらかった。
だけど、施設に入ってから数年後、里親が決まった。
その人達は、子供が欲しかったけど中々出来なかったらしくて、僕の存在を必要と思ってくれる優しくてあたたかい人達だった。
幸せだった。そして僕は、あたたかい環境で生きていくうちに、希望というモノを手に入れた。
これからも、前を向いて必死に生きていこうという希望…を。
でも、やっぱりひとりというのは寂しくて、心が空っぽになっている気分だった。
……僕は、寂しかったんだ。


