『幽霊だから、ですか?』


「うんっ!」


『なにそれ。意味わかりません。』


「ねえー!教えてよー?名前!」


『だから、教えませんって。』


「教えてくれないと、あたし部屋散らかす!」


『やめれ』


「んじゃあ、教えて??」



まあ、部屋を散らかされるくらいだったら名前を教えても大丈夫だろう。

それに、仮にも幽霊な彼女に教えても害はないはずだ。



『蜂谷 真琴。それが僕の名前。』


「はちや まこと。漢字は?」


『虫の蜂に、谷底の谷。真琴は、真実の真に、楽器の琴。で、蜂谷 真琴だよ』

「なるほど!因みに、あたしは萱野じゃない方の茅野!で、名前は里奈じゃない方の梨奈だよ!わかった?」


『わかるか』


「えー?結構、わかりやすいと思ったんだけどなあー」


『紙に書いてください。その教え方はアバウトすぎます』


「えへへっ…そう?」


なんで、こんなにこの子は笑顔でいるんだろ。

不思議な子だなあ。


幽霊…そうキミはいうけど、僕は幽霊という存在を信じない。