『なにか、あった?』
肩がわかりやすいくらい、ビクンッと跳ねる。
「なな…っ!…な、なにもないよ!?」
『キミってわかりやすいね』
「え?!ど、どういう…??」
『嘘つかないで、なにかあった?』
さっきから、ずっと悲しそうに足元を見つめてるのを知ってるよ。
嘘をつくのが、苦手なんでしょ。
だったら、嘘なんかつかないで正直に言ってよ。
「……あ、あたし」
『うん』
キミがはなすのなら、僕はしっかり聞くよ。
キミの弱みも、受け止めて上げるから。
だって、キミは幽霊なんでしょ?
だったら、簡単なこと。
キミの過去と思いを、僕が支えてあげればいいんだ。
「あたし…自殺、したの」
『……え』
自、自殺…?
どうして、そんなこと…ううん、知らなきゃ。
僕はしっかりキミのことを理解してあげなきゃいけないんだ。
『言ってよ。キミのこと、全部』


