あいつには秘密が多すぎる。

あの子が屋上を出て数分したころ俺はやっと屋上を出た。

追いついたらだめな気がしたから、遭遇しないように。

って思ってたのに、階段を少し降りた踊り場で誰かと電話をしていた。

スマホから漏れる声は男子の声。

その人と喋るあの子は嬉しそうだった。

彼氏……なのかな?

そして電話を終えると

「急がなきゃね」

と独り言を呟いていた。

『どこか行くの?』

なんでこんなに知りたがっちゃうのかな。

「えっとー、男の子の所・・・??」

うん、だろうね。

『あ、うん。そっかじゃあまたね』

なんて、俺って愛想ないのかな。