暗い、暗い、闇の中…。




ただ、ひたすらに走っている。

「何か」に追われている。

その「何か」の正体は分からないが…



体力が限界に達しそうな今でも、無理矢理足を動かしている自分は、その「何か」は恐怖心を促すものだと物語っている。



息が切れる。

目が回り、ついに地面に勢いよく倒れてしまった。この身体に染み渡る硬い床は、アスファルトだろうか。

いや、そんな事はもうどうでも良い。




もはやここまでか…。


その「何か」、暗闇よりももっと真っ黒な影が、私を包み込む。



息が苦しい、くるしい、クルシイ……





もう、逃げられない。