屋上の扉が開いた。 「透也?」 「透也くんじゃないよ」 え・・・ 屋上に入ってきたのは、涼太先輩だった。 「り、涼太先輩っ」 前のことがあったから、少し気まずい。 「杏奈ちゃん、俺と付き合ってくれるよね?」 え・・・ 「俺、俺は・・・杏奈ちゃんのこと好きだよ?」 ・・・ 「俺、杏奈ちゃんと付き合いたいんだよ」 涼太先輩は、そんなことを言いながら、どんどん距離を詰めていく。 気づいたら、私の背中は壁に付いていた。 トン・・・ 涼太先輩の両手が、私の横につく。