「な・・・ん・・・んな・・・」



ん・・・



聞き慣れた声が私の耳をくすぐる。



「あんな、杏奈?」



「・・・と、うや?」



「杏奈、夕食作ろーぜ」



え・・・



どうやら、私は寝てしまっていたみたい。



「今日は和食にしよーぜ」



「あ、う・・・っ」



つい、いつもの癖で、うん、と言ってしまいそうになった。



「き、今日は透也が作って」



できるだけ透也を見ないようにする。



「は?今日、杏奈なんかおかしい」



「そんな事ないし、じゃ、早く部屋から出て」



できるだけ透也に冷たくする。