私は、耳が痛くなるほどの大声を出した。
そして、透也を押し、ダッシュでお化け屋敷を駆け抜けた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」
と、叫びながら。
はぁはぁはぁはぁ
出口に出た私達は、少し息が切れていた。
「ったくっ、これじゃお化け屋敷入った意味ないじゃん」
透也が、少しいじけた声でそう言った。
「うう・・・ごめん・・・」
私は、さっきの怖さで、涙がこぼれそうになるのを、必死にこらえた。
「お前、同じだな」
「え?」
透也が、すごく優しい顔をして、何かを言った。
でも、私にはよく聞き取れなかった。
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