そして女子トイレ
「真名…貴様……」
チョビ髭レベルではなかった。
顎にたくさん打たれた油性の点々。
青ヒゲだった。
マツエクのお店もびっくりな天まで(おでこ)まで伸びるまつげ。
もれなくまぶたには第3、第4の目が現れていた。
くぅっ…俺の邪気眼が疼くぜ…
とりあえず、油性だったので真名には丁重にお亡くなりになってもらう予定だ。
「落ちないならしゃーないな、部活には女子しかいないし、笑いとりにいくかぁ…」
一応副キャプテンなのでこれ以上遅刻するのはまずい。
わたしは諦めて女子トイレから出た。
鞄をとりにいくために誰もいない廊下を進む。
教室の前まで来ると、静まりかえった廊下に声が響いた。
「神田さんだ」
声は朝と一緒、わたしの背後からだった。
