「女子か?おい!出てこい…」

あー俊はわたしだってわかったらどういう顔

するのかな…

わたしは俊の前に立った…

あー終わったかもしれない

わたしの頬には冷たいような温かいような

ものがつたっていた…

「!?…み..か.ど?」

すごく驚いていたけれどその反面悲しい顔を

していた

わたしは知らないふりをした…バレバレだっ

ただろうけど

「なにかあったのー?わたし今来たばっかで

さー...」

「じゃあなんで泣いてるの?」

「転んだの!!!!」

わたしはなんでかわからないけど

すごく怒ったように叫んだ

「俊はどうしてここにいるの?

ねぇなんで?わたしはもう飽きたの?

ねぇなんでほかの子とキスしてたの?

ねぇなんで?ねぇねぇってば!!!!

結局あの言葉も嘘だったの?わたしから

好きって言わせるんでしょ?それともなに

?1ヶ月前に達成できたからもえ用済みって

わけ?最悪…やっぱり好きにならない方が

よかった。さようなら…」

「まてよ…行くなよ…俺を置いて行くなよ…

お前も俺を置いてくの?親と同じように

置いてくの?俺を捨てるの?好きって嘘なの

?」

そう、最初に話さなかったけどわたしの彼氏

俊には辛い辛い過去があった。

俊にはもともとお母さんしかいなくて

仕事に行くから家ではほとんど一人だったら

しい。クリスマスも誕生日もいつも一人で

過ごして、お母さんが帰って来たと思ったら

手紙を置いて「ちょっと行ってくるね」

と言ったあと何日も何ヶ月待っても帰って

来なかった…あぁーそうか俊もわたしと同じ

で人を好きになったことがないのか…

わたしは家族とうまくやっている

人を好きにならなかったのは性格が

そんな感じだからだ

「俊…ごめんね、ごめんなさい…」

そう言うとわたしの腕の中で俊は静かに泣い

た…

「もう俺から離れていかないで、

置いていかないで、俺のことをもっと好きに

なって離さないで…」

こんな悲しい思いさせてたんだね

「ごめんね」