私が恋した愛しい彼。

「おおおおおおおお!!!韓国!コリア!ソウル!!」


広くて、人がいっぱいて、日本の田舎とは大違いで。




「都会だぁ。」




ずっと来たかった、韓国にいるんだ。



なんだか、あんまり実感が湧かないけど!








外に出ると、見覚えのある人がいた。





「みいちゃん?!みいちゃんだよね!久しぶりーー!」


「千聖(チサト)ちゃん!聖(ヒジリ)くん!」



物心ついたことから、ずっと一緒に遊んでいた近所で幼馴染だった、双子の千聖ちゃんと聖くん。


小学四年生の頃に韓国に来て、それから何度か日本に来た時に遊んだりした。




そういえば、今年は1回も会ってなかったな。



千聖ちゃんと聖くんは、私のことなんでも知っている。もちろん私も、千聖ちゃんと聖くんのことはなんでも知っている。



「みいー、男嫌い治ったー?」


ちょっとヘラヘラしてる気もするが、聖くんは良い奴だってわかるから怖いと思わない。



「まぁ、ましにはなったよー。」





抱きついていい?抱きついていい?と、ソワソワしてる千聖ちゃんをほっとこう。





「千聖ちゃんと聖くん、遠くからみたら美男美女カップルにしか見えなかったよー。」



と、冗談ぽく言ってみると、



「あ、そうそう!モデルにスカウトされたのウチら!びっくりだよね!」




ん?





「初めて声かけられた時とか、お似合いカップルさんとか言われたよな!」




あははは、と爆笑してる双子。
いやいやいやいや、なんなのこの人たち!!
確かに顔も体型もいいけど、モデルって…!



「んまぁ、そんなことなんだけど。…みいちゃん、事務所行くよー。」




え?
待って待って待って待って!?
話についていけず、頭が混乱する。思考回路が。


「俺らさ、マネージャーさんから呼び出されてさ。ちょっと、時間に余裕がないからそのまま付いてきてくれない?」



いや、悪い話じゃないけど。
社会科見学にもなるし。


「でも、荷物が邪魔だよ?」


「「そりゃ、しゃーない。」」



さすが、双子。よくハモること。








仕方なく、事務所に行くことになった。









事務所に向かう途中、



「事務所の名前って、なんて言うの?」



韓国の事務所なんて、聞いてもわからないだろうけど、聞くだけ聞いてみる。





「「deluxe hit」」




…やっぱり聞いたことないかも。




でも、どこかで聞いたことがあるような気が………




まさか






「クラッシャーがいる…?」




おー!と声を上げる二人。
ニッコリと笑う二人。

私って、こんなに運がいい子だったっけ。


「そっかー。みいちゃんはクラッシャーのライブ見に来たんだもんね。」



気づいたら、もう事務所の前に到着していて、



「クラッシャーに会えるかな?!」



くすっと笑う聖くん。




「まぁ、運が良かったら会えるかもね。実は俺たちも会ったことないけど。」




それって、絶対会えないよね。


「え!私会ったことあるよ!そりゃもう、すっごくかっこよくて、、拝んでしまったよ!」




目をキラキラさせる千聖ちゃん。千聖にクラッシャーを教えこませて良かった。。




クラッシャーがデビューしたときから、ずっと見てる私はこの双子やはぷな、中学の時の友達に広めていた。



クラッシャーは今では、韓国と日本だけじゃなく、世界各地にライブに行っていて、ファンが多い。






そんなクラッシャーと、明日会える。