瞳の奥


「夜絵、二人三脚出ない?」

「いいよ、沙羅。」

「やったー。」

私の目前でうれしいそうな顔しているのは親友の飛田 沙羅(ひだ さら)。

二つくくりで美人さん。男子に人気ある。

「今日、朝日会長珍しく遅かったのは、時計のせいだったの?夜絵もだけど。」

「うん、たぶん電池切れ。夕陽が気づいたんだけど...。朝兄は間に合ったの?」

「うん。夕陽君も間に合ったみたいよ。」

あの二人、間に合ったんだ。よかった。

私は遅刻...。はぁ~。

「というか、何で二人が間に合ったか知ってるの?」

ふと私は疑問に思った。

「そりゃあ目立つからでしょ。」


話に入って来たのはショートカットの髪型の町田 友だ。後ろには三つ編みで赤の眼鏡をしている。井上理香(いのうえ りか)がいた。

「朝日会長かっこいいよね。」

「理香は朝日会長派か。私は夕陽君派だね。」

友と理香はきゃきゃ騒ぐ。


「私はねぇ、おじさん系がいいから興味ない。ねえ、やっぱり平井家のお父さんってかっこいい?」

沙羅は目を輝かせ、私の答えを待っている。

沙羅美人さんなのに。おじさん好きか。
こりゃあ同世代の男子達かわいそうに。

「昼翔と朝兄をミックスしてみた顔かな?」

「ふぅ~ん。...タイプかも。」

おじさん、沙羅にロックオンされるよ。