瞳の奥

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体育大会前半が終わった。

二人三脚では6位中3位という、普通の順位だった。




コケることなく、安全で終わったねと沙羅の言葉には心が癒された。

昼翔は玉入れで玉を投げてたが、めんどくさそうにしていた。


ここからは平井家と一緒に食べる昼休みタイム。

いま私は昼翔とおじさんと合流している。

こうやって体育大会のとき食べるのは初めてだなー。
ちょっと新鮮。

しかも家族で食べてるの私達ぐらいじゃない?

「夜絵ちゃん、信夜(しんや)さんに沙羅ちゃん?との二人三脚してるとこ写真に送っておくね。」


「お父さんに!?おじさんやめてよ。」

「ほら、見てご覧。」

スマホの画面を私に見せる。

昼翔も隣から覗いてきた。

おじさんとお父さんLI○Eのトーク画面だった。



夜絵可愛いなー。
俺も体育大会行きたいな。
あと、もっと写真よろしくな。

「信夜さん、本当夜絵ちゃんのこと愛してるなー。」

「ぷっ」

お父さん。やめてー。

昼翔笑うな。

おじさんニヤニヤしてるし。

パシャ

「いい感じ。」
「それ、信夜おじさんに送信しないとね。」

「朝兄、夕陽。」

朝兄がスマホでパシャりと撮り、横で夕陽が笑ってスマホ見ていた。

「ちょっとー。」

朝兄のスマホを奪おうとすると、

パシャ

次は後ろから。

昼翔だ。

「夜絵、すごい顔だぞ。」

撮った写真を私に見せる。

半目じゃん。

超ブサイクじゃん。

「昼翔もやめてー!!お父さんに送んなよ。」

「もう、送った。」

にやっと昼翔は笑った。

ぽいん

ラ○ン~


昼翔以外の携帯の着メロが聞こえた。

まさか、

「家のグループラインに送っておいた。」

一斉にスマホを見る。

「夜絵姉、すごい顔だよー。」
「保存だね。」
「夜絵ちゃん、おじさんはそれでも可愛いと思ってるよ。ぷふ」

おいおい。おめらー

ぴろん

私にLI○Nが届いた。

これでも、俺のかわいい娘だー。

絶対笑ってるな。

本当最低な男共だな。