そんな苦々しい思い出を思い出しながら僕ら1つの墓石に花を手向ける。

「君のせいで、僕は彼女の1人も出来ないんだよ」

そう苦笑しながら呟いた。君は聞いてくれているだろうか。

僕の前にある墓石には『黒田美希』の名前がしっかりと掘られている。

今日は、君の命日だった。

「もしも、時が戻せたら君はどうする?」

いつかの君の質問が頭に浮かんだ。

「僕は、高校1年の春、君がいなくなる前に戻してもらうよ」

「まぁ、そんなことできっこないんだけどね。」

そう僕は墓石に笑いかけた。その顔は泣きそうにも見えた。

「その願い、叶えてやろうか?」