「忘れてないけど…。」


“亜紀から晴也を取る事はナイ”


忘れてなんかいない。


晴也を好きになってしまったのは事実だけど。


亜紀から奪ってやるなんてそんな事は思っていない。


ただ、近付きすぎてしまったとは思うし、

結果的には亜紀の存在を無視した行動だったかもしれない。


「お願いだから…私から晴也くんを取らないで。」


ちょっと前までキッと私を睨みつけていた亜紀なのに、

今にも泣き出してしまいそうな瞳で私に頭を下げた。


亜紀は、本当に晴也の事が好きなんだ。