先に口を開いたのは晴也。


「明日、どっか遊びに行こうか?」

「でも…さすがにスエットじゃ出かけられないよ。」

「服は買えばいい。

お店の前までタクシーつけて、さっと買ってそのまま着ればいいし。」

「私、ケータイしか持ってないの。」

「いいよ、それぐらい。俺が買うから。」


やっぱり親が社長だと息子のお金の羽振りもいいのだろうか。


「そこまで晴也にしてもらえないよ。

今日だってこうして迷惑かけちゃったし。」

「迷惑なんかじゃないよ。

陽菜ちゃんが頼ってくれたのは嬉しかった。」