時計の針は夜中の1時をさしていた。


「俺、隣の部屋で寝るから悪いけど俺のベッド使って。」


そう言って晴也は部屋を出ていこうとした。


「あっ…。」


思わず呼び止めてしまう。


「うん?どうした?」

「…いや、何でもない。」


出そうになる言葉をグッと飲み込む。


「…陽菜ちゃんが寝付くまで、ここにいてもいいかな?」

「…うん。」


晴也の優しさに甘えてしまう。


私はベッドに横になり、

晴也はベッドの淵に背中をつけて座った。


私の位置からだと横顔と背中が見える。


何となく恥ずかしくって、どちらも無言のままだった。