「陽菜ちゃん、笑った方がいいよ。」


そんな私に晴也は身を乗り出す勢いで言ってきた。


戸惑ってしまう。


「あっ、ごめん。でも、いつも1人でいて周りのみんなは不機嫌に見えてるみたいだけど、

俺には寂しそうにしか見えないから。」


晴也には見透かされている気がした。


「言いたくないなら言わなくていいし、

余計なお世話なのはわかってるけど、何かあったの?」


私の様子をうかがいながら聞いてくる晴也。


「…私、母親に捨てられたの。」


意外と冷静な私。


一瞬晴也の顔色が変わった気がしたけど、私は話を続けた。