「もしもし、安積菜々子はまだ仕事してますか?…はい、…はい、えっ…辞めた?菜々子は仕事を辞めたんですか?」


ママが仕事を辞めた…?


電話を切ったおばぁちゃんは、その場に座り込んでしまった。


「ママ、仕事辞めたの?でも今日お仕事行ったよね?」


私はおばぁちゃんの肩を揺する。


「陽菜…ママいなくなっちゃった…」


おばぁちゃんはポツリと呟いた。


ママがいなくなった…。


それは私が4歳になったばかりの事だった―――