今更会いたいと思う気持ちもないけれど、どうして私を置いて行ったのかはずっと知りたいと思っていた。
「晴也は、それ見たの?」
「うん、見させてもらった。」
私を捨てた母を許すか許さないか。
葛藤の末、私が出した答えは、
「見る。」
晴也は頷き、封筒を私に渡す。
受け取る手がかすかに震えてしまう。
「どんな事が書いてあっても、俺が陽菜ちゃんを支えるからね。」
「ありがとう。」
一つ深呼吸をして、私は封筒の中から資料を取り出す。
『芦田(安積)菜々子氏調査結果』
1枚目にはそう書いてあった。
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