何が書いてあるのかわからない封筒をじっと見つめる。 「ここにはね……安積菜々子さんに関する資料が入ってる。」 「えっ…。」 封筒から目をそらし、晴也の顔を見る。 「勝手に調べたりしてごめんね。 今更かもしれないけど、知っておいてもいいと思ったんだ。」 私は何も言えなかった。 それに、晴也が私のお母さんの事を調べていたなんて、これっぽっちも気付かなかった。 沈黙の時間が流れる。 母は私が4歳の時に家を出て行った。 あれから16年以上の月日が流れた。