お義母さんは残念そうにそう言った。
戸惑いながらも、私達は“考えておく”とだけ伝える。
結婚式や披露宴は晴也の背負っているものを考えたらやっぱりしなきゃいけないのかもしれない。
けれど、私には両親がいないし出来れば何もしたくないというのが本音。
晴也は私の気持ちを読み取ってくれてるのか、その後も結婚式や披露宴の話はしてこなかった。
それはすごくありがたかったけど、私の心にはかたまりみたいに残っていて毎日ずっと考えていた。
そして、数日後。
仕事から帰ってきた晴也に、
「披露宴だけでもしよう。」
と、伝える。

