幸せの晴れ



その日、おばぁちゃんは仕事が休みだった。


「学校から帰ったら、一緒に買い物行くかい?」


玄関で靴を履いてる私に、見送りに来たおばぁちゃんはそう聞いてきた。


「うん、行く。」


私は鞄を持ち上げおばぁちゃんを見る。


「じゃあ、待ってるからね。」

「うん。いってきます。」

「いってらっしゃい。気をつけてね。」


おばぁちゃんは笑顔で私に手を振っている。


これが、私の見たおばぁちゃんの最後の笑顔だった。


学校ではいつも通り1人で過ごし、

授業が終わると一目散におばぁちゃんが待っている家に帰った。