月に叢雲花に嵐 -夢現-

「ん?」

女君がもぞもぞと起き出した。

「お目が覚めまして?」

倭と久光が女君の顔を覗き込んでいた。

「おぉ………」

女君は袿を見て、更に辺りを見渡した。

「何処ぞ………………」

細々い声で、そう言っておる。

「此処は、一条のお邸で御座いますよ。女君。」

「一条…………?」