月に叢雲花に嵐 -夢現-

「え?何を言ってるんだね、倭。」

「おや。ご存知ありませんの?この女君の如く、美しい孤児や捨て子がどうなるか。」

「知らない………」

倭はやはりね、と思いつつ、この際言ってしまう。

「売られて仕舞うのですよ。攫われて。」

久光は驚愕している。世間知らずなので、仕方がなかろう。

「あたくしも、そうなりかけたのですよ。成り下がったお陰で、避けられましたがね。」

それを倭が言ってのけた時、久光は「なんて事言ってるんだ」と怖がって呟いた。