「その、悪趣味な染めの御絹、おやめなさいや。彼の人も、哀れぞ、皆に笑われてしもうて。」

あまり器量の良くない、北の方は訳の分からず、そのまま呆然と立ち竦んでいた。

藤の君は、衣を翻して、北の方に背を向け、去った。


そんな、夢を、見た。