「へぇ、それって俺は行けねぇの?」
突然前の席の大輔があたしたちの会話に入ってきた。
え……大輔も……?
「だめ!今日は私が優香を独り占めするの!」
「………。」
「なんでだよ、いいだろ。」
………雪と遊ぼうと思えるくらい心の余裕ができたってことは、もちろん大輔のことを考える余裕もできた。
そうなればあとは簡単だった。
忘れていた恋心なんて、すぐに思い出すものだ。
墓参りに行った日、大輔はあたしのことを『好きなやつ』って言っていた。
じゃあ大輔もあたしのこと好きなの?……って考えてしまう。
本来ならば喜ぶべきなんだろうけど……
喜べない。
胸がきゅうっと締めつけられるように苦しくなるだけ。



