ねぇ明希。
あたし、明希のいない世界で生きていくのが怖い。
いつか明希との思い出を忘れてしまいそうで…………
一瞬でも明希のことを忘れてしまいそうで……………
だから、現実から逃げてた。
でもそれは間違ってた………今こうしてそれに気づかせてくれる人がいる。
あたしは………なんて幸せな人間なのだろう。
「だい、すけ………。」
しばらく泣いた後、ようやく涙がおさまりあたしは大輔の名前を呼んだ。
「なんだ?」
「……………行く覚悟ができたから………あたしも、明希のところへ行くよ。」
大輔はあたしを離し、見つめ合う状態になった。
「………もう、大丈夫か?」
「うん………大輔はあたしに真剣に向き合ってくれてるのに、あたしは向き合わないなんて、そんなことできない。
だから明希に会って………あたし、受け入れようって思った。」
あたしははっきりと言った。



