「なぁ優香…。」
「何?」
あたしは大輔の方を見る。
でも大輔は前を向いたまま、どこか遠くを見つめて言った。
「今の優香の中には明希しかいないか?」
「えっ………。」
突然明希の名前が出てきて戸惑うあたし。
何故大輔が明希の話をするのか、目的があたしにはわからない。
でも………あたしの中には………明希だけじゃなくて、大輔もいる。
最近は大輔のことを考えることが多くなってきた気がする。
でもそれが逆にあたしを締めつける。
少しでも明希のことを考えいないと、明希のことを忘れてしまいそうで………
今この瞬間にも、明希との思い出が薄れていくのが怖くて…………
「俺、もう後悔するの嫌なんだ。」
大輔がやっとあたしを見た。
今この瞬間、雪と谷口くんの存在をあたしは忘れていた。
あたしと大輔しかそこにはいないような気がしたんだ。



