「運動部ってすごいんだね……あらためて彼らのすごさを実感したよ」


声を上げながらグラウンドを走り回る彼らの姿を見つめていれば、正直な感想が口からこぼれた。


「そうだね……半年前の私、すごい………」


佐城さんも作業を止めて、グラウンドに思いを馳せている。


「……あ、そういえばあいつ、元気にしてるかな」


ふと、思い出したように野球部の方を見つめた彼女に、俺は同じ方向を向きながら尋ねた。


「誰か知り合いがいるの?」


「うん、まあね。家が近所で幼なじみなの。
今は隣のクラスで、あっちも部活が忙しいからあんまり話さなくなっちゃったけどね」


「へぇ、どの人?」


ちょっとした興味本位でさらに尋ねると、佐城さんは目を細めながらグラウンドを指さす。