君を忘れるその日まで。



リュックを背負って腕時計をつけてから、棚の上に視線を移す。


立てかけられたコルクボードに飾られている、母さんが持っていた何枚もの写真。


その全てには、今でも忘れられないあの笑顔が輝いている。


そしてコルクボードのかたわらには、長方形の木箱とその中に入った100通の手紙。


「おはよう。それから、行ってきます」


今でも俺を優しく照らしてくれる笑顔にいつもの言葉をかけてから、自室を出ていく。