「まずい、遅刻するっ……!
母さん、俺、朝ご飯いらない!」
クローゼットの中の服を適当に着て洗面所で顔を洗ってから、リビングにいる母さんに声をかける。
「もう、祐樹ったら。またなの!?
お父さん、何か言ってやってよ」
「えー、何かって言われてもなぁ……」
苦笑いを浮かべる父さんに目をやってから、俺はまた2階の自室に戻っていった。
あの2回目の告白から、早1年半。
俺は今、大学2年生として日々を過ごしている。
もちろん、島を離れて前に住んでいた所で暮らしている。
最初は慣れなかった人混みにも感覚を取り戻してきて、今ではお手の物だ。
「……っと、本当に早く出ないと……あ、そうだそうだ」



