君を忘れるその日まで。



『それより、話がズレてるよ。
どっちかが先に死ぬ、だっけ?』


『あ、そうそう。
もし私が祐樹より先に死んじゃったらさ、祐樹は新しい彼女つくってよね』


『……普通は、私が先に死んでも私のことを好きでいて、とかじゃないの?』


『あははっ、そんなの嫌だよ。
だってそれって、私が祐樹の枷(カセ)になるってことでしょ?
私のせいで祐樹が大切な人を作れないなんて嫌だもん』


『……なるほど。確かにそういう考え方もあるね』


『でしょ?だから祐樹は、もし私が先に死んだら彼女をつくること!』


『じゃあ優里も、もし俺が先に死んだら彼氏つくってね』


『え、自信ない……』


『自分が先に言い出したんでしょ』


『だって、祐樹より大切な人なんてできない気がする』


『……それはありがとう。俺も、優里以上に
大切な人はできる気がしないよ』


『……ふふっ。私たち、相思相愛だね!』


『俺はバカップルみたいで恥ずかしいよ』


『いいじゃん、バカップル!
まぁ、先のことはわからないし、今のは約束ってことで!』


『覚えておくよ────』