君を忘れるその日まで。



「祐樹くん。こんなことをあなたに背負わせるべきじゃないのかもしれないけど、これからも、あの子の分まで生きていってちょうだいね」


「はい。優里と一緒に、生きていきます」


「ありがとう……ねぇ、祐樹くん。まだ時間があるようだったら、学校での優里の話を聞かせてくれない?」


「ぜひ。俺も、家での優里を知りたいです」


「ふふっ。主人がもう少しで帰ってくると思うから、そうしたら3人でお話しましょう」


軽やかな足取りでリビングに戻っていくお母さんに返事をしてから、俺は仏壇を振り返る。


「優里……今まで忘れててごめん。
優里がいなくなった世界は、俺には受け入れがたかったみたいだ。
これからは、一緒に生きていこう。
……好きだよ、優里」


2回目の告白を、気に入ってくれたのだろうか。


俺の大好きなあの笑顔を変わらず見せる君が、聞こえるわけがないのに返事をしてくれたような気がした。