「……マユちゃん」


「あ!ごめんなさい!こんなこと言っちゃって…失礼よね。ごめんなさい」


ハッとしたようにマユはおばあさんに笑顔を見せる。


「…いいえ。大丈夫よ。でも、」


おばあさんが席を立ち、マユの側に行くと



マユの小さな頭を撫でた


「お父さんやお母さんのことは、あまり考えない方がいいわ。ほら、スープも冷めちゃうわ。」



おばあさんの夕日のような優しい笑顔は、いつものようにマユに元気を与えた。



「…そうね、そうよね。今はおばあさんがいるもの!とっても幸せよ!」


「こんなくらい顔してちゃ、天国のお父さんやお母さんにも失礼よね!」



そう言ってマユは、さっきと変わらぬ、幸せいっぱいの笑顔で、スープを頬張った



その笑顔が、これで最後になってしまうのには、最高の笑顔だった