目が覚めると、そこにあの神様はいなかった。

まぁそうだろうなと思いながら、キッチンへ行き、
朝食を用意する



今日は、パンと牛乳。

誰もいない、寂しい部屋でひとり。


もう一度、神様がふっと現れてくれないだろうか。

神様と会ったら、今度こそ名前を聞こう。

そんなことを考えながら、最後まで味の無いのパンを食べ終えた



「神様…どこにいるんだろう……」


そうぼやいて窓から森の中を眺める。


また、今日が始まる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


少し外が暗くなってきた頃、母が帰ってきた。


「お、おかえりなさい…」



おずおずと片付けをしていたマユが、キッチンから出てくる。



「うるさいわね。あんたなんて早く死ねばいいのよ!!なんで生きてるのよ!」


頭を掻きむしりながら、はぁっと大きくため息をついた。


乱暴に靴を脱ぎ捨て、鬼のような形相でこちらへ向かってくる母。



「はぁっ…なんで私がっ…あんたなんか早く死んでしまえ…」


「……っ」



いつもの罵声。今日は一段と機嫌が悪い



「何突っ立ってんの。早く私の夕飯用意しなさいよ!働いてもいないくせに!」


「……はい…ごめんなさい…今すぐに」




ふらふらとキッチンへ戻り、母の夕飯の用意をする。





「ったく…なんで生きてるのよ…生贄のくせにっ……」




すると、母はハッとしたようにマユを見た。




「いけ…にえ……?」