真夜中。真ん丸の月が木の影から覗いていた



「……あの女の子…この森にいるんだろうか。」



オースはあの少女のことがきになって仕方がなかった。



きっと嫌われているだろうに。心が何故か彼女を探していた。


この森にいるなら、叶うならば、もう一度、もう一度だけ、あの綺麗な女の子をみてたい。と。




そうこう考えながら歩いていると、数十メートル先に緑に覆われた煉瓦の家が見えた



「久々だな…」


地上に落とされた時には、この家に住み着いていた。

オースはその頃を懐かしむように見つめた。

ふらすらと、その家に引き寄せられるように、その家に近寄った。



「…………え」


その家の細長い窓にたどり着いた時、目の前に見えたのは、あの少女だった。


少女は、冷たそうなコンクリートの床でぐっすり眠っていた。


「……なんだ、寝てるのか。」



「……」


しばらく、その窓の淵に頬杖をついて、綺麗で繊細で、でもどこか暗いその顔を、少女の一生の一瞬のひと時を、見つめ過ごした。



そして、




すとん、と、深い、深い、眠りについてしまった。




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どれほど寝たのだろうか、ふと視界が暗くなり、なにかが動いた音で目が覚めた。



ただ、目は開けずそのまま、もう一度眠りにつこうとした



「……?」


少し怖いほどの静けさの中、すーすーとなにかの息遣いが、耳に聞こえた



「……誰かいる、?」



目を開け体を起こし、窓に目を向ける。


マユは自分の目を疑った。



「……かみ…さま…」


あぁ、自分は夢を見ているのかな、そう、これは夢の中なんだ。そうマユは確信した。



冷たい床を歩き、窓にゆっくり歩み寄る。



「……かみさま…」



夢にしてはリアルで、とても怖くて、でも魅力的で。



「……あなた…は…名前は…何?……どこから…来たの…?」



とても魅力的で。



「……とても綺麗ね…」



マユは、神様の可愛い寝顔に、思わずふふ、と微笑んだ。



その瞬間、ふっ、と猛烈な睡魔に襲われ、床に倒れ込んだ。


……そのままマユは、再び、本当の夢の世界へと誘われた。



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