私の王子様

敦side



心や菫を含む女達を気絶させ、静かに立っているあの女。



拘束は解けているのに、俺も千景も動けないで居た。



理由はきっと、あの女の美しさに、目を奪われているからだろう。



一瞬でここに居る奴等を気絶させ、息切れ1つせず、



ただ立っているだけでも美しいと感じさせられてしまう。



俺は初め、この女をクズだと思った。



薄ら笑いを浮かべ、千景の近くに居たから。



でも、



女達を殴る時や蹴る時のこの女は、薄ら笑いを浮かべる所か、無表情だった。



何を目に写しているのかが、分からないぐらい。



すると、



女はこちらに歩いてきた。



無表情で。



敦side end